【岡山・備前】世界の人々を魅了する「備前焼」と暮らす、ゆたかな日常。
日本が世界に誇る焼き物文化。なかでも「備前焼」は、世界中の人々を魅了してきました。そのため、産地である岡山県伊部(いんべ)には各地から「焼き物」を愛する人々が訪れます。土の力強さや歴史を感じつつ、どこかモダンさも併せ持つ備前焼とその産地の魅力をお届けします。
1000年の歴史を誇る備前焼は、2017年に日本遺産として指定された「日本六古窯」の一つであり、昔から焼き物の町として知られてきました。しかし、その魅力は備前焼ばかりではありません。瀬戸内海のゆたかな自然に育まれ、美味しいものや見どころが盛りだくさんな備前の町は、観光地として訪れるにもぴったりです。
About
What‘s BIZEN?
備前市は、瀬戸内海の新鮮な魚介類が美味しい町です。とくに県下一のカキ養殖生産量を誇る日生エリアのご当地グルメ「カキオコ」は有名。惜しみなくたっぷりのカキが入っていて、口の中いっぱいに旨味が広がる美味しさは、他ではなかなか味わえません。また、備前市の新たな名物「アナゴのしゃぶしゃぶ」は、新鮮なアナゴでないと難しいメニューで、ここに来たら絶対に食べていただきたい一品。
また、備前は伝統文化や歴史的遺産が数多く残る文化都市でもあります。日本遺産認定の日本最古の庶民の学校「旧閑谷学校」や都会では感じられない日本の原風景が残る八塔寺ふるさと村で心癒されます。日生諸島へ向かう定期船「NORINAHALLE」から見る景色は格別です。
土と炎を手で感じられる備前焼。
忙しい日常にナチュラルで有機的な温もりを与えてくれます。
備前焼は不思議な焼き物です。素朴な味わいでいて、佇まいに格がある。釉薬を使わず、土そのものが焼き締められた姿は、豊かな自然を思わせ私たちの暮らしに自然の息吹を運んでくれます。
そのルーツは、古墳時代に遡ります。須恵器(すえき)の製法が変化し、鎌倉時代~桃山時代にかけて、現在のような形に落ち着きました。
土と炎の芸術とも言われる、その炎の文様は窯変(ようへん)と言って「窯のどの位置に置くのか」「焼くときの条件をどのようにするのか」によって焼き色や模様が変わってくるのです。それぞれに表情が異なり、同じものがないのも特徴なので、お気に入りの模様との出会いも備前焼の楽しみの一つです。
備前焼で飲むと、格別おいしく感じる
備前焼は昔から『備前の水がめ、水が腐らん』などと言われ、水を保管するのに重宝されてきました。 備前焼の花入れにいれた花は水が腐らず、とても長持ちするんです。戦国時代、兵糧攻めで長期にわたって、備前の水瓶が水の備蓄に一役買ったとか。
不思議な力をもつ土の魅力
また、一説には備前の土には抗酸化作用のあるペニシリンが含まれているからとも言われています。昔はその土が薬としても重宝され、怪我をしたらその土を塗っていたという記録もあるそうです。
備前の特別な土でできたカップ&ソーサーで飲むコーヒーは、いつもより美味しく感じるから不思議です。ただ飾って眺めるのではなく、食器を日常の中で使い続けることで「用の美」が自然に体に入っていくような魅力もあります。
備前焼でテーブルコーディネート
日常に取り入れやすい、備前焼のコーディネートをご紹介します。
備前焼は土の素材感がそのまま感じられる器なので、海外で人気のあるラスティックなスタイルが特によく合うと思います。素朴な色合いのテーブルナプキンを合わせて、自然なものと相性が良いので、気軽に楽しんでみてください。
さいごに
今回撮影で使用した備前焼は、全て平川忠工房様よりご提供いただきました。
Recipe
Let's enjoy cooking!
あなごのしゃぶしゃぶ
日生産みかんの甘みと華やかな香りのポン酢。シンプルな穴子のしゃぶしゃぶを引き立てます。
材料2名分 (調理時間:10分 [ポン酢の漬け込み時間を除く])
材料名 |
分量 (g・cc) |
目安 (個・本・缶など) |
穴子 |
2匹 |
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水菜(せり) |
1束 |
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絹豆腐 |
1丁 |
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しいたけ |
4個 |
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出汁用昆布 |
5㎝角×2 |
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【日生産みかんのポン酢】
日生産みかん |
100㎖ |
2個分 |
日生産レモン |
30㎖ |
1/2個分 |
醤油 |
120㎖ |
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みりん |
大さじ2 |
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昆布 |
5g |
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鰹節 |
10g |
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作り方
- ① ポン酢用のみかんとレモンの果汁を絞り、そのほかの材料と合わせておく。みかんの皮を1個分すりおろして合わせる。冷蔵庫で24時間~置く。1週間くらいおくと深みが出る。食べる際はざるで濾す。
- ② しゃぶしゃぶ鍋に出汁用昆布と水を入れ中火にかけ、沸騰直前で昆布を取り出す。(できれば昆布を一晩漬けておくとよい)
- ③ 穴子は3センチ幅にそぎ切りする。水菜は3㎝長さに切り、豆腐は一口大に切る。しいたけは軸を取り、飾り包丁を入れておく。器にきれいに盛りつける。
用意する道具
しゃぶしゃぶ鍋、包丁、まな板、果汁絞り、ボウル、ざる
調理のポイント
ポン酢は1週間くらい寝かせると旨味が出て、酸味が落ち着きまろやかになります。
海老と餅のかき揚げ
餅を入れることでボリュームと食感が楽しめます。クッキングシートを使えばかき揚げの成形も簡単に。酒を入れることでサクサクに。三つ葉を青しそに変えると夏も楽しめます。
材料 2名分 (調理時間 15分)
材料名 |
分量 (g・cc) |
目安 (個・本・缶など) |
海老 |
10尾 |
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切り餅 |
1個( g) |
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玉ねぎ |
1/2個 |
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三つ葉 |
1束 |
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レモン |
1/2個分 |
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薄力粉 |
大さじ3 |
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片栗粉 |
大さじ2 |
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塩 |
ふたつまみ |
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酒 |
大さじ2 |
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水 |
大さじ1 |
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揚げ油 |
適量 |
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【レモン塩】
作り方
- ① 海老の頭、殻を取り、の背に切り込みを入れて背ワタを取り、塩をもみ込んでさらに片栗粉をもみ込み、水がキレイになるまで水洗いする。水気を拭き取り、2~3等分に切る。
- ② 餅は7㎜角に、玉ねぎは7mm幅に、三つ葉は3cm幅に切っておく。
- ③ ボウルに①、②を入れて軽く混ぜ合わせる。薄力粉、片栗粉、塩加えて軽く混ぜ合わせ、酒と水を入れて全体にまとまるくらいに混ぜる。
- ④ オーブンシートに③の1/4量を乗せ形を整え、170度の揚げ油にオーブンシートごと入れて揚げる。オーブンシートから生地が離れたらやけどしないように優しく取り出す。
- ⑤ レモン塩用のレモンの皮をすりおろす。小さいフライパンに塩を入れ弱火で乾煎りし、レモンの皮も入れてさっと水分を飛ばす。
- ⑥ 器にかき揚げを乗せ、レモン塩を添える。
用意する道具
包丁、まな板、ボウル、菜箸、揚げ鍋、揚げ網、フライパン、クッキングシート12㎝角4枚
牡蠣の台湾風オムレツ
台湾で人気の牡蠣オムレツもご自宅で簡単に作れます。青ネギをニラや春菊に変えても◎
材料 2名分 (調理時間 15分)
材料名 |
分量 (g・cc) |
目安 (個・本・缶など) |
牡蠣 |
6個 |
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片栗粉 |
大さじ1 |
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卵 |
3個 |
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生姜 |
1片 |
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青葱 |
4本分 |
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豆乳(紹興酒・酒) |
大さじ2 |
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ナンプラー(醤油) |
小さじ1 |
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胡椒 |
適量 |
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ごま油 |
大さじ2 |
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好みで香草 |
適量 |
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【甘酢ソース】
スイートチリソース |
大さじ2 |
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オイスターソース |
小さじ2 |
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ケチャップ |
小さじ2 |
|
水 |
大さじ3 |
|
片栗粉 |
小さじ1 |
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作り方
- ① 甘酢ソースの材料は合わせて小鍋でひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
- ② 生姜はみじん切りに、青ネギは小口切りにする。
- ③ ボウルに卵を割りほぐし、ナンプラー、豆乳、青葱、胡椒を入れて混ぜておく。
- ④ 牡蠣は殻から外し、洗って水けをきり、片栗粉を全体にまぶしておく。
- ⑤ フライパンにごま油、生姜を入れて弱火にかける。牡蠣を入れて両面こんがりと焼く。③を流しいれ、ふんわりと菜箸で大きく混ぜ、フライパンの外側から中央に寄せるように形を整えながら揚げ焼きする。
- ⑥ お皿に➄を乗せ、好みでパクチーをかけて、ソースを添える。
用意する道具
包丁、まな板、フライパン、ボウル、菜箸、小鍋、バット、スプーン
調理のポイント
岩牡蠣を使用する場合はしばらく水につけて塩抜きする。スーパーで買った牡蠣なら下処理して砂抜きをする。塩分量の調整も必要
鰆と生ハムのオリーブ蒸し煮
生ハムの塩気と香りをソースに鰆を頂きます。フライパンひとつ、素材をいれて軽く煮込むだけで豪華な一品に。
材料 2名分 (調理時間 15分)
材料名 |
分量 (g・cc) |
目安 (個・本・缶など) |
鰆 |
200g |
2切れ |
生ハム |
4枚 |
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グリーンオリーブ |
8粒 |
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ミニトマト |
1パック |
10個 |
にんにく |
1片 |
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白ワイン |
50㏄ |
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オリーブオイル |
大さじ3 |
|
塩 |
適量 |
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好みでタイム(ローズマリー) |
1本 |
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作り方
- ① 鰆は塩少々を全体にふっておく。しばらく置いて出てきた水気をふきとる。にんにくはつぶしておく。
- ② フライパンにオリーブオイル、にんにく、鰆を入れ中火にかける。焼き色がついたらひっくり返し、上に生ハムを乗せミニトマトとグリーンオリーブ、タイムを入れる。
- ③ 白ワインを入れ、水大さじ3を足し蓋をする。沸騰したら弱火にし10分ほど蒸し煮する。
用意する道具
包丁、まな板、フライパン、蓋
渡り蟹のトマトクリームパスタ
渡り蟹のうま味がトマトクリームソースにまじわり、濃厚なソースに。見た目にも贅沢な仕上がりに。
材料 2名分 (調理時間 30分)
材料名 |
分量 (g・cc) |
目安 (個・本・缶など) |
パスタ |
160g |
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渡り蟹 |
1パイ |
|
にんにく |
1片 |
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白ワイン |
大さじ3 |
|
塩 |
適量 |
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生クリーム |
50㏄~ |
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胡椒 |
適量 |
|
イタリアンパセリ |
適量 |
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【トマトソース】
トマトの水煮缶 |
1缶 |
|
にんにく |
1片 |
|
オリーブオイル |
適量 |
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作り方
- トマトソース
- ① フライパンにみじん切りにしたにんにくとオリーブオイルを入れて火にかける。香りが出てきたらトマト缶を入れ、塩をふたつみ入れ、木べらで潰しながら20~30分ほど弱火で煮込む。
- 渡り蟹の下処理
- トマトを煮込んでいる間に
- ① 蟹のハカマに指を入れ、甲羅を開ける。味噌や卵があれば別のボウルにとり(ソースに使います)、表面をよく水洗いする。
- ② 砂袋や肺は取り除き、胴体を半分に切ります。
- ③ 食べやすいよ足を適当な大きさに切り、爪は圧手の出刃包丁やハサミで切り目を入れておく。
- 仕上げ
- ① パスタは1%の塩を入れた湯で湯でタイミングを見て茹でる。
- ② フライパンにオリーブオイル、にんにく、蟹を入れて軽く塩をふり弱火でゆっくりソテーする。
殻全体の色が赤くなってきたら白ワインを入れて水分を飛ばす。
- ③ トマトソースを入れて沸騰したら弱火にし、生クリームを入れて混ぜ、パスタをからめる。塩コショウで味を調える。
- ④ お皿に盛り、オリーブオイルをトッピングする。
用意する道具
包丁、まな板、フライパン、蓋